インド旅行 ③3日目、ついにタージマハール!  <行く前のすったもんだ編>

3日目。
あたし、ついにタージマハルにゆきます。



タージ・マハールはアーグラーという地にあり、
ニューデリーから特急電車で約2時間とのこと。

あらかじめ、食事つき、冷房つきの1等席を
日本からネットで予約していました。

プリントアウトしたものがチケット代わりになるということです。

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予約した電車は、ニューデリー 6時15分発。
ホテルを5時過ぎに出て、ニューデリー駅へ向かうでありんす。


駅周辺は早朝にも関わらずものすごい大混雑。


そこで、
列車に乗る前に一騒動あったのでございます。
だまされたというか・・、アレって一体何だったの?っていうわけの分からぬ出来事。

今でも印象強いので、
書くことにします。

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タクシーを降りた途端、インドのお兄さん達が群がってきた。

聞いてもいないのに、
ある人は「あっちだよ!」ある人は「むこうだよ!」そのまたある人は「ついてきな!」と言う。


それぞれ言ってることが違って、
そのうちに彼らはケンカし始めたりして
「???・・・なんだかすごいなあ」とちょっと面食らう。


わけが分からず不審な顔をすると、「Trust me!」と力強くお兄さん。
でもお助け無用「サンキュウ、大丈夫よ。」と無視をして進みました。
それでもお団子のようにお兄さん達が後ろをくっ付いてきました。


人ごみ、ザワザワ、クラクション。
早朝で頭がボーっとしている中の、しつこい勧誘。
神経を逆撫でされるような気分。
なんとなく少し怖い。
ちょっと警戒モード。
なんだか昨日までとちょっと違う。

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ホームに入る前に荷物のセキュリティチェックがあり、その列に並ぶ。

係の人にチケットを見せると、

「このチケットでは入れない。これは、DTTDC(デリー観光開発公団)で正式なチケットに交換しないと乗れないんだよ。」と言う。

「ガイドブック見せて」
と私達の持っているガイドブックをぱらぱらめくり、
「ココだよ。」と教えてくれる。

ペンとメモをとりだし、『D・T・T・D・C』と書いてくれる。

「ええ??ほんまかいな。」
だって予約したチケットはこのプリントアウトした紙でよいはず。

何度も熱心に同じことを説明される。
「それ、本当?」

そんなやり取りを何度かしているうちに、随分時間を食ってしまった。
 
「分かった、あんた達。そんなに信じないならこの先に進んでみろよ。乗れないんだから。」
と、荷物チェックもおろそかに先へ通してくれた。

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階段を登り、列車のあるホームへ降りる階段がいくつかある。
その降り口に制服を着た駅員さんのようなおまわりさんのような人がそれぞれの降り口に立っている。

チケットを見せると、
さっきの人と同じように「これでは乗れない。チケットを交換しないといけない。」という。

駅員さんがだかおまわりさんが言うのなら本当なのかと思う。
だって、列車のあるホームへ降りられないのだから。


今からDTTDCに行って戻って、果たして列車に間に合うだろうか。
ちょっとあせってきた。



「あなた達の列車の時間は6時15分。
あと、30分もないじゃないか。急がなくちゃ!ついて来て!!」
と言って、私達が今来た入り口に向かって走り出した。

私達も必死で走ってついていく。


階段を駆け下り、クラクションを鳴らすオートリキシャの波をくぐりぬける。


ロータリーの中ほどまで来て、
「タクシー!タクシー!」と大声で呼ぶと、休憩していた二人組が
「ここだ!」と手を上げた。


タクシーが捕まった。



私達を車に乗せ、
行き場所と急いでいることを伝えると、運転手も「よっしゃ!」とばかりに準備する。

駅員さんだかおまわりさんは最後に、
「気をつけて!
ねえ、僕って親切でしょ?じゃあチップ頂戴。」
と手を出す真似をする。


「んん?」と思うと同時に、
「ジョークだよ。」と舌を出して笑い、車のドアをバタンと閉めた。


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車が急いで走り出す。

大変なことになっちゃったぁ。

インドにタージ・マハルを観に来たのに、この列車をのがしたらどうしよう。
間に合うかなあ。もし行けなかったら、どういう手段があるだろうか?
行けなかったなんてオチ?・・色々考える。


前の席には運転手と助手席にもう一人お兄さんが乗っている。
べちゃくちゃと女の人のようによくまあ話すこと。
二人でマシンガントーク


二人のおしゃべりの様子を見ているうちにふわっと記憶が蘇ってきた。

『あれ?
この人達って最初に駅についてタクシーを降りたときに「あっちだ!こっちだ!」と言って着いて来た中の二人のじゃない・・・?。
  
ん?良く見るとこの車、普通のタクシーより小さくて汚くて、タクシー風に色を塗ってある車のような。。。』

『???』


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D・T・T・D・Cに到着。

タクシーのお兄さん達は、
「ここで待ってるから。」と言い車を止めると私達と一緒に車を降りた。
おしゃべりがケンカに発展していた。
大声で言い合いしながら向こうへ歩いて行った。




窓ガラスの中を覗くと二人の男性がソファーに寝ている。

そのうちの大きな体の一人がのっそりと起きた。

このチケットをここで交換しなくてはならないと言われたと、
説明しプリントアウトのチケットを見せると、
それをゆっくりと受け取り、ゆっくりとパソコンの席へ向かっていった。


眠そうな目をこすりながら、パソコンをいじり始める。
とにかく動作がゆっくりだ。


時間はもう6時。
「時間がないの!」と伝えるも、相変わらずゆっくり。


プリントアウトのチケットをこちらに返しながら、彼はゆっくり言った。
しかも流暢な日本語で。

「交換する必要はないです。大丈夫です。これで乗れます。これを電車の中で見せればいいです。」と。


「日本語しゃべれんじゃん!」
「ていうか、それ本当!?」




列車は6時15分発。
もう6時近い。
わけわかんないけど、とにかく駅へ急いで戻らなきゃ。
こうなったらなんでもいい、さっき乗ってきたタクシーだ!

外に出ると、車があるがお兄さん達がいない。
前は車の通りのない道。

すると中からゆっくりのお兄さんが出てきて、
「あっちの通りに行ったほうがいいですね。オートリキシャかなんかつかまるでしょう。」
と目をこすり、あくびをしながら日本語で言った。


走って走って大通りにでて、オートリキシャーを捕まえる。
 「ニューデリーステーション!」
 「50ルピー!」
  「OK!」

時計と睨めっこしながら、ヒヤヒヤする。

駅前のロータリーまで着くが、車は大混雑で入れない。
「ココからは降りて走っていったほうがいいよ。」とおにいちゃんが言う。
良い青年だったので、ありがとう!と50ルピーより少し多めに渡して降り、駅に向かって走った。 


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もうだまされない。

今度は、違う入り口から入ろう。
そこでも荷物チェックがある。

チケットを見せると、「これでは入れない。DTTDCに行って・・・」
同じことを言われるが強行突破。


列車の乗る号車を見つける。
入り口に、予約してある全座席と名前の一覧表が貼ってあった。

そこに自分達の名前を確認し、中へ入る。


やっと席を見つける。


「ふう〜ッ」とため息をつきながら、
深く腰掛ける。


時刻は6時10分。


『間に合って良かったあ』と同時に、
『今のは一体何だったの??』という思いが消えない。


6時15分きっかり。
列車は動き出した。

ともあれ、
夫と顔を見合わせ笑いあったのであります。



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ガイドブックを見返してみると、
DTTDCをに注意!とか、被害にあった人達の声がたくさん載っていました。

改札らしきセキュリティチェックはあるが、検札はない。
チケットを見せてと言われ、
「e-ticketは、乗車前に乗車券を交換しなければならない。出発まで時間がないからこっちへおいで」とか「満席だ」とか言って、
私設の旅行会社に連れて行かれて「お前の切符は使えないからうちのツアーに参加しろ」というもの等。


私達は、確かにこの切符は駄目で時間がないからこっちへおいでと言われ観光局へ行ったパターン。

駅員だかおまわりさんの格好をしていたけど、駅員でもおまわりさんでもなかったんだ。


タクシーを降りてきたときからくっ付いて来た人達、入り口の荷物チェックの人、駅員、タクシーらしき車のお兄さん方、
観光局の人。

みんな繋がっていたのかしら?




でも結局は、
高額なお金を要求されたわけでもなく、ツアーを組まされたわけでもない。

時間がぎりぎりになったけれど列車にも乗れました。

お金も儲からないのに、あのお兄さん方は私達を振り回して一体何の得があるのか?
それともだますのにただ失敗しただけなのか?


だから、ますます一体何だったの!?

と今でも謎の出来事なのです。




とにかく、電車に乗るときのチケットのチェックは車内でのみあります。

日本のように駅構内に入る時のチェックはないのでどんどんホームへ入って構わないのですよ。
これからインドに行く方はどうぞ気をつけてくださいね。